箱庭

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潮騒

2013/11/18(Mon) 23:18



泥濘んだ夜に
足をとられて動けない
開けた窓から
流れ込んできた潮騒が
覚えてもいない母の後ろ姿に似ていて
かなしくなる

思い出せないということを
思い出すのはいつも
季節の狭間の生ぬるい溝の底

鼓動が赤い星の瞬きに呼応して
消滅の予感に嘆くのを
やり過ごすのに、ここはいい
熱くも冷たくもない
まるで守られた胞衣の内側で
丸まってみては
延び切った肢体で再生を夢みている

巻き戻せるテープが好きだった
鉛筆をさしこんでぐるぐると
時間を遡行する錯覚はいつも
ごりごりとリアルな感触だった

潮が引いてゆく
部屋に渦巻く果たされなかった約束の
引きずり出された痕跡が
夜の泥濘にだらしなく伸びていく
そういえば母は髪が長かったと
覚えてもいないのにかなしくなる

ここが夢中夢のどのあたりかは
分かりようがなくて
つま先で探しだしたシーツの冷えた感触に
無意識に胸を撫でおろし
呼吸をするように、丸くなる



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